わさびと...

わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。

  • 地の恵み
  • 投稿日 2023-05-15

奥多摩わさび

わさびコラム | 奥多摩わさび

東京都の最北西端に位置する奥多摩町には、広大な山々とそれを源とする無数の清らかな渓谷があり、古来よりわさびが栽培されていました。
古くから奥多摩でわさびを栽培されているSさんを訪ねました。

奥多摩町

奥多摩町は東京都の多摩地域北西部に位置します。
東京都にありながら、日本一の巨樹本数と日本百名山のひとつ雲取山を有し、東京を貫流する多摩川源流のある町です。

多摩川を堰き止めた小河内ダムによって造られた人造湖である奥多摩湖(小河内貯水池)は東京都民の水源です。

東京都の自治体のなかで最大の面積を有し、町の大部分は山林であり、東京都で一番山が急峻です。

わさびコラム | 奥多摩町

奥多摩湖

奥多摩わさびの歴史

江戸後期に書かれた『武蔵名勝図絵』(1823)には、奥多摩のわさびは梅沢村の名産とされ、神田青物市場に出荷されていたと書かれています。

奥多摩では、古くから渓流を利用して良質なわさびが栽培され、将軍家にも献上されていたようです。

わさびコラム | 奥多摩わさびの歴史

出典:『小河内村報告書:湖底のふるさと』

奥多摩わさび

昭和44年初刷の『多磨―風土のその歴史』に
「清冽な沢沿いの道で、豊富な水量が音を立てて流れている。中腹まで山葵田が続いている。(中略)ひんやりとした山風が汗ばんだ肌に心地よい。」と書かれています。

奥多摩の年間平均気温は、約12℃で、8月でも最高気温が30℃を下回る日が多いといいます。

Sさんのお宅は、古くは山の仕事とわさび栽培を主に行っていました。現在では3か所のわさび沢でわさびを栽培しています。

Sさんは、鹿やカモシカ、イノシシ、サルの被害が増えていると話してくださいました。
自宅前の柿の木には、クマ対策のトタン板が巻かれていました。
柿の実を狙うクマが、爪を引っ掛けて木に登れないようにするためです。

わさびコラム | 奥多摩わさび

わさび沢ちかくの渓流

わさぴー

2015(平成27)年の奥多摩町・町制施行60 周年を記念して、奥多摩町のイメージキャラクターが誕生しました。

キャラクターの名前は「わさぴー」。
わさびが町のイメージキャラクターに選ばれるほど、町民にとって身近で愛される存在なのでしょう。

奥多摩には、新緑が美しい山々と渓谷、清涼な空気と澄んだ清流があり、また訪れたいと思う日本の原風景でした。

わさびコラム | わさぴー

奥多摩町のイメージキャラクター「わさぴー」