わさびの保存方法を知れば、1~1か月半は新鮮な状態で美味しく食べることができます。
家庭での保存方法や美味しい食べ方を紹介します。
おろし方
すりおろす前にはどんな準備が必要?
流水で軽く洗い流したわさびの茎をむしり取ります。次に、鉛筆を削るように包丁で形を整えます。黒い部分があれば、たわしで擦るか、包丁でこそぎ落とします。
料理店では皮をそいできれいな緑色をだしますが、ご家庭では皮は剥かずにおろすことをお勧めします。
写真のように茎を切り取る方法もあります。
切り取った茎を水につけて、冷蔵庫や涼しいところで育てると、新しい茎が伸びてきます。ハートの形をしたわさびの葉を楽しむことができます。
切り取った茎から葉が伸びてきた様子。
わさびのすりおろし方は?
わさびはおろして細胞が壊れることで、辛味と風味が出ます
おろし板は鮫皮が有名ですが、ご家庭では出来るだけ目の細かいおろし板を用意してください。わさびの水気を拭き取って、おろし板に対して垂直にわさびを持ち、円を描く様に、優しくゆっくりおろします。
茎側と先端(根の方)では味や風味、辛味が異なります。
わさびの部位と味の違いは?
茎側
茎側は、色が鮮やかな緑色で、香りが高く瑞々しい。辛味はやや弱めです。
茎のはじめの部分は少し水っぽいことがあります。
真ん中
香りと辛さ、粘り気のバランスがよい部分です。
生のわさびならではの香りや甘さ、鼻にすっと抜ける辛さが楽しめます。
先端(根の方)
色が白っぽく香りは弱いですが、辛味は強いです。水っぽさはなく粘り気があります。
料理屋さんでは、茎側と先端を混ぜて使うこともあるようです。
保存方法
保存する前の準備は?
わさびの根茎は渓流や湧水を利用して栽培されます。冷蔵庫で保存する前に、わさびを水に浸し、水分を与えてから保存すると鮮度が長持ちします。
購入したわさびが少し乾燥している場合でも瑞々しさが戻ります。
保存方法は?
家庭ではわさびを一度に使い切ることが難しいため、残ったわさびは冷蔵庫で保存し、使う都度おろして利用します。冷凍保存することも可能です。
わさびの保存方法には諸説ありますが、実際に様々な保存方法を試した中で、家庭で簡単に鮮度を保持できる方法をご紹介します。
キッチンペーパーに包んで保存する方法
2~3週間以内に食べきる場合や小さめのわさびの保存に向いています。
わさびの水分をふき取ってから、乾いたキッチンペーパーで包みます。
キッチンペーパーで包んだわさびをファスナー付きプラスチックバックに入れ、冷蔵庫の野菜室で保存します。プラスチックバックの代わりにラップで包む方法もあります。
この方法は乾燥しやすいため、1週間に1度くらいの頻度でわさびの状態を見て、乾燥していたら水に浸して水分を与えてください。
水に浸して保存する方法
ひと月~ひと月半保存したい場合やキッチンペーパーで包む保存方法では使うのを忘れてしまう方にお勧めの方法です。
グラスやタッパーになどにわさびを入れ、わさびが少し浸るように水を入れ、蓋をして冷蔵庫で保存します。水は、少なくとも週に2~3回交換してください。
この方法はわさびが黒くなりやすいため、黒くなった部分は削ってすりおろしてください。
冷凍保存する方法
香りや粘りは弱くなりますが、すりおろしてラップに包み冷凍保存も可能です。
薄いシート状にして冷凍しておくと、必要な量だけパキッと折って使えるので便利です。
長期保存には向きませんので、早めに召し上がってください。
表面が黒くなった場合は?
保存しているうちにわさびの表面が黒くなることがあります。おろす分だけ黒い部分をたわしや包丁で削ってからおろしてください。
切り口に赤や紫色の輪があったら?
切り口に赤や紫色の色素が輪状に入ることがありますが、味や品質に問題はありません。
これはわさびに含まれるアントシアニンが着色したものです。アントシアニンはポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持ち、目や身体の老化防止に欠かせない栄養素です。
色が気になる場合は、削ってすりおろしてください。
わさびの茎や葉、花の食べ方は?
春が旬の花わさびや葉わさびは、そのままではほとんど辛みはありません。
わさびの辛さは細胞を破壊することで生まれます。
辛みを出す方法は、「お湯をかける」「もむ」「叩く」「振る」「砂糖をかける」など、家庭や地域によって様々な方法があります。
ここでは、お湯で辛みを出す方法を紹介します。
わさびの茎に80℃位のお湯を注ぎ、20秒ほど菜箸で混ぜ合わせてから、お湯を切ります。すぐに冷水で冷やし、水気を絞ったらフリーザーバックなどに入れ、空気を抜きます。
冷蔵庫で1~2時間冷やして、辛みが出たら、醤油や三杯酢に漬けたり、おひたしにしたりします。
わさびの根茎についている茎を美味しく食べる方法は?
根茎についている茎は、刻んでお茶漬けなどに加えるとシャキシャキして美味です。
そのままでは苦みがありますので下ごしらえを紹介します。
刻んだ茎を塩もみし、2~3分ほどおきます。
塩もみした茎をざるに入れ、お湯をさっとかけます。すぐに水で冷やし水分を絞ります。
下ごしらえの終わった茎をお茶漬けにのせれば、生わさび茶漬けの完成です。
わさびは茎側、真ん中、先端で香りや辛さ、粘り気が異なります。
おろす部位によって違う味が楽しめます。