わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。
- 美味しい食べ方
- 投稿日 2022-08-09
蕎麦とわさび
蕎麦(蕎麦切り)、天ぷら、鰻、握り寿司は江戸4大名物料理といわれています。
そのうち、最も歴史が古いのは蕎麦です。
現代でも、もり蕎麦やざる蕎麦の薬味にはわさびが欠かせません。
いつから蕎麦にわさびが添えられるようになったのでしょうか。
江戸中期の蕎麦の薬味は?
ソバが日本へ伝来したのは縄文時代まで遡るとされます。
ソバ粉を麺の形態に加工する調理法は蕎麦切り(そばきり)と呼ばれ、江戸中期に蕎麦切り、蕎麦つゆ、薬味、盛り方などが形成されたようです。
当時の薬味は、江戸時代中期の1751年に書かれた『蕎麦全書』には
「山葵も宜敷物也。しかし、是は大根の辛辣なる物なき時、しぼり汁の替りにする事なり。(わさびもとてもよい薬味であるが、大根の辛いものがないときの代わりである)」と書かれています。
このことから、江戸時代中期にはわさびが薬味として使われていたことがわかります。
わさびが薬味に使われるようになったのは?
蕎麦の薬味にわさびが使われるようになったのは、そばつゆに鰹節が使われるようになったからだといわれています。
鰹節を使うことで旨味は増しましたが、そのかわり鰹節の生臭みがついてしまいました。その生臭みを消すためにわさびを用いるようになったようです。
前述の蕎麦全書には、「わが家の汁には鰹節を入れず、いつも精進汁である。生臭汁が好きな人には、土佐で作られた鰹節の良く枯れた上物の上皮を取り去り、鰹節の味がしなくなるまでゆっくりと煮詰める。」と書かれています。
また、江戸時代後期には伊豆のわさびが伊東港から江戸に船で輸送されるようになりました。
わさびの供給が増えたことも蕎麦にわさびが定着するきっかけではないかと考えます。
江戸の人々は相当な食いしん坊で、おいしいものが大好きだったのでしょう。
美味しい蕎麦を生わさびで食べたくなりました。