わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。
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- 投稿日 2024-08-10
西伊豆自然体験学習ツアー2024 2日目
7月26日(金)と27日(土)の二日間で、親子8組と一緒に西伊豆町を訪問しました。
千代田区後援「西伊豆自然体験学習ツアー2024」の2日目の様子をご紹介します。
宮ケ原散策その1
二日目の行程は、宮ケ原の散策→わさび沢見学→川と河口の観察→かつお節工場見学です。
宿を出発して向かったのは、天城山の大自然に囲まれた西伊豆町大沢里に位置する「わさびの駅」。知る人ぞ知る伊豆の名水「天城深層水・健」の源泉水の取水場です。
色々な地域のナンバーを付けた車が取水に訪れていました。
この名水を求めて静岡県内はもちろん、関東圏、中京圏などから年間数万人もの人々がこの地を訪れるのだとか。
地下1,000mからポンプで汲み上げている源泉水を、施設内の各取水口より100円で2分間15リットルの取水ができます。
宮ケ原散策その2
わさびの駅を出発し、宮ケ原を散策しながら、「音無川」へ。
この日は川に水がありましたが、以前、訪れた際には、川に水がない音無川でした。
宮ケ原は、山に囲まれた中でも比較的平らな土地がある場所です。
それは、何百万年も前の大規模な地滑りで、川が堰き止められ湖になり、さらに長い年月をかけて砂や石が堆積し、湖を埋め尽くしてできた場所だからです。
細かい砂や石の堆積物でできているため、雨水は地下にしみこみ地下水として流れていきます。
そのため、川に水がない音無川と呼ばれています。
音無川の後は、樹齢300年とされていた神木スダジイのあった宮ヶ原天神社に向かいました。
スダジイとは、ブナ科シイ属の常緑広葉樹です。
「この木、何の木、気になる木」というCMで使われていたのもスダジイの木です。
幹が7.5mもあったスダジイは、残念ながら倒伏してしまいましたが、その大きさには驚くばかりです。
わさび沢見学
今年も堤農園さんのわさび沢を見学させていただきました。
堤さんからわさび沢やわさびのついての説明の後は、恒例の質問コーナー。
「わさびの花は何センチくらいですか?」
季節外れのつぼみを見つけてくださり、子どもたちに見てもらうことができました。
その他にも
「わさび沢にはどんな昆虫がいますか?」
「根茎がでこぼこしているのはなぜですか?」根茎のボツボツは
「わさびを育てる時の工夫はなんですか?」
などたくさんの質問がありました。
お母さんたちからも
「わさびの効果や効能は?」という質問もあり、堤さんが丁寧に答えてくれました。
わさびの収穫と調整作業も見学しました。
恒例の水温測定は、わき水と中田、下田の下の水路の温度を測定しました。
わき水:15.4℃
中田:16.8℃
下田の下の水路:16.5℃
昨年の湧水の温度は、15.5度、下のワサビ田の水温は、16.6度~16.8度でした。
今年は早くから暑い日が続きましたが、水温は昨年と変わっていませんでした。
よかった!
川と河口の観察
わさび沢見学の後は、川の観察をしながら仁科川河口に向かいます。
水力発電所の近くで、川の上流の観察です。
近くの山の表層が崩落して川に流れ込んだ跡や、上流の石の形状を観察しました。
川には岩や大きな石がゴロゴロしています。
続いて、堀坂の河川敷では、中流の観察です。
川にある石は、角が取れて丸くなった石や粗い砂です。
水温の測定ができる場所があったので、水の流れのある場所と水溜まりの2か所で測定しました。
水が流れている場所は、25.1℃。水たまりでは28.1℃もありました。
冷たくて気持ちよい川の水ですが、わさび田より10℃前後高い温度でした。
最後は仁科川河口での観察です。
河口には川で運搬されてきた「れき」や「砂」などが堆積しています。
河口には色々な色の石があります。
子どもたちは珍しい石を探すのに夢中でした。
白メノウを見つけた子もいました。
かつお節工場見学
松崎町の「ほりラボ」さんでランチを済ませた後は、かつお節工場見学です。
昨年に続き、カネサ鰹節商店さんを見学させていただきました。
説明してくださったのは、五代目の芹沢さんがです。
カツオをおろす様子を見学し、本枯れ節の削り体験をしました。
子どもたちからは、
「カツオの目玉は何かに使うんですか?」
「骨以外に取り除く物はありますか?」
などの質問がありました。
削りたての鰹節の美味しさを、大人も子どもも実感した工場見学でした。
おわりに
西伊豆町のみなさんにご協力いただき、昨年以上に充実した学びの多い体験学習になりました。
東京の子どもたちは、日本には数多くの自然豊かな場所があり、そこに根付いた暮らしや職業があることを知ることができました。
この自然体験学習ツアーによって、自然に触れ、地域で伝統的産業に従事する人々との交流を経験することで、豊かな人間性や自ら学び、自ら考える力などの生きる力の基盤を作り、子どもの成長の糧となる一助になれば幸いです