わさびと...

わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。

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  • 投稿日 2024-08-01

西伊豆自然体験学習ツアー2024 1日目

わさびコラム | 西伊豆自然体験学習ツアー2024 1日目

7月26日(金)と27日(土)の二日間で、親子8組と一緒に西伊豆町を訪問しました。
西伊豆町の自然に触れ、地域で伝統的産業に従事する人々との交流を体験する千代田区後援「西伊豆自然体験学習ツアー2024」の1日目の様子をご紹介します。

郷土料理体験

三島駅に集合し、バスで西伊豆町に向かいました。
体験ツアーの最初は、郷土料理体験です。
教えてくださったのは、西伊豆町まちづくり協議会食部会のお母さんたちです。

食部会では、西伊豆地域に古くから伝わる郷土料理や、地元の食材を活かした調理方法など食文化を後世に伝えていくことや、地元食材を活かした新たな料理の開発、首都圏在住の人々へのPRや交流などに取り組んでいます。

お母さんたちから子供たちに、可愛い調理用帽子のプレゼントがありました。
教えていただいたのは
・天草(てんぐさ)からトコロテン作り
・ひじきのチジミ
・夏野菜カレー

西伊豆町は全国有数の天草の産地です。
天草からトコロテンを作り、トコロテンを突きました。

わさびの茎と塩かつおを使ったブルスケッタも用意してくださいました。
西伊豆のお母さんたちは、明るくて手まめな方ばかり。
子供たちはお母さんたちと楽しく会話しながら、料理を作り、後片付けも積極的に行っていました。

わさびコラム | 郷土料理体験

ひじきのチジミを焼く子供たち

トンボロ現象の観察

食部会のお母さんたちとのお昼ご飯の後は、ジオガイドさんと合流し、伊豆半島の成り立ちを学びました。
その後、瀬浜海岸へ移動しトンボロ観察です。

トンボロ現象とは、干潮時に水位が減少することにより海底が露出し、平水時は海水によって隔てられている陸地同士を結ぶ州が発生する現象です。

西伊豆瀬浜海岸の沖合約200mに位置する伝兵衛島・中ノ島・沖ノ瀬島・高島からなる4つの島は、見る角度によって3つにも4つにも見えることから、「三四郎島」と呼ばれています。
水位が概ね30cm以下となる時間帯には、瀬浜海岸と三四郎島を歩いて行き来することができます。

あいにく波が高く、トンボロは渡れませんでしたが、蟹や打ち上げられた天草を発見して、子供たちは大よろこびでした。

わさびコラム | トンボロ現象の観察

西伊豆のトンボロ

堂ヶ島の海底火山跡巡り

トンボロ現象観察の後は、歩いて堂ヶ島まで移動して、海底火山跡巡りです。

伊豆半島はユネスコ認定世界ジオパークに認定されています。
約2000万年前には、伊豆は本州から数百km南にあった海底火山群でした。
フィリピン海プレートの上にできた海底火山や火山島はプレートとともに北に移動し、本州に衝突して現在のような半島の形になったのは、約60万年前です。
半島となった伊豆半島では約20万年前まで陸上のあちこちで噴火がおき、天城山や達磨山といった伊豆半島の骨格を形作る大型の火山ができました。

堂ヶ島海岸の崖では、海底火山の噴火にともなう水底土石流と、その上に降り積もった軽石・火山灰層を見ることができます。

わさびコラム | 堂ヶ島の海底火山跡巡り

堂ヶ島の地層

黒い砂の理由

砂浜の砂の色は様々ですが、堂ヶ島の遊覧船乗り場の浜にある砂は黒いんです。
「なぜ砂が黒いんだろうね?」
実験をしながら探っていきます。

ジオガイドの土屋先生が、黒い砂を入れたビニール袋を取り出します。
子供たちが砂に磁石を入れると、「砂がくっついてきた!」
黒い砂の正体は砂鉄でした。

ここで、土屋先生から子供たちに質問です。
「なぜ、ここに砂鉄があるんだろうね?」
不思議そうな子供達を前に、次の実験に移ります。

次の実験は、磁石を岩陰にそっと近づけます。
すると、磁石が岩にくっついたのです。
「不思議!」
「鉄が入っているってこと?」

土屋先生から、二つの実験の解説です。
火山を形づくるマグマには、金や銀、銅、鉄など色々な金属が含まれています。
だから噴火で積もった火山灰のなかには鉄がたくさん含まれているのです。

「なぜ、浜の同じ場所に集まっているんだろう?」
それは、鉄が重いから。
波で崖が削られ海に落ちた鉄は、波に運ばれて浜に打ちあがります。
鉄は重いから同じ場所に集まるのです。

このように、多くの問いかけや実験をしながら、堂ヶ島を散策して学びました。

わさびコラム | 黒い砂の理由

砂鉄の実験