わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。
- 地の恵み
- 投稿日 2023-03-06
三鷹 大沢わさび
江戸時代後期から三鷹市大沢地区では、わさびが栽培されていました。
これが江戸東京野菜にも登録されている「三鷹大沢わさび」です。
現在は三鷹市が管理し、ボランティアの協力を得ながらワサビ田の保全活動を続けています。
ボランティアとして定例作業に参加しました。
三鷹大沢わさびとは
伝承では、三鷹大沢わさびは200年ほど前の文政年間(1818-1830)に、大沢地区の国分寺崖(がい)線の豊かな湧水に着目した伊勢出身の箕輪(小林)政右衛門が、故郷の五十鈴川流域から持ち込んで栽培を始めたと伝えられています。
主産地のわさびと比べて根茎が小さいものの、神田や築地市場で「味がよい」と評判を得ていたようです。
しかし、周辺の市街化が進み、湧水が減ったため、昭和の後期には生産されなくなりました。
岐阜大学の山根京子先生のDNA分析の結果、三鷹大沢わさびは、だるま系など三大品種のいずれにも似ていない珍しい型なのだとか。
山根先生は、岐阜県西南部がルーツだと推測されています。
保全活動
三鷹市は、大沢わさびの復活を目指して、栽培実験を始めています。
培養苗を1,000本作り、地区に500平方メートルのわさび田を再整備して移植する計画です。
その最初の苗の定植作業が先日行われました。
定植作業の様子は、NPO江戸東京野菜 コンシェルジュ協会の代表理事・会長の大竹道茂さんがブログで詳しく書かれています。
わさび田の清掃や定植作業では、ボランティアの方々が楽しそうに作業をされていました。
多くの人々の愛情を注がれて、味がよいと評判だった大沢わさびが復活するのが楽しみです。