わさびについて感じたことや体験など、わさび雑感を綴っています。
- 雑感
- 投稿日 2023-02-04
わさびの季語
意外と知られていないわさびの季語。
「山葵」は晩春の季語です。一方で、「山葵の花」は初夏の季語です。
わさびはどのように詠まれているのでしょうか。
季語とは
季語は俳句や連歌などの作品を作る際に、季節を表すために歌や句の中に詠み込む語句のことをいいます。
季語を整理したのは、室町時代の飯尾宗祇(いのおそうぎ)ら連歌師達であるといわれています。
これが今でいう「歳時記」です。歳時記は、四季の事物や年中行事などをまとめた書物のことです。
江戸時代以降の日本では、主として俳諧や俳句の季語を集めて分類し、季語ごとに解説と例句を加えた書物のことを指すようになりました。
わさびの和歌
山葵田の隙といふ隙水流れ(清崎敏郎)
山葵の芽水ちよろちよろと喜ばし(川端茅舍)
沢水は春も澄みつつ山葵生ふ(松本たかし)
なまよみの甲斐の須成のよきをぢさ山葵持て来ぬ春日よろしみ(北原白秋)
しらじらとわさびの花の咲くなれば寂しとぞ思ふおのが往き来の(土屋文明)
わさびを読んだ短歌や俳句が多くあります。
いずれもわさび沢やわさび田、わさびの花が瞼に浮かぶような歌です。
このところ、早ければ1月からわさびの花が市場に出回ります。
私が歳時記の編集者だったら、わさびの花は早春の季語にしたいところです。
皆さんは如何ですか?
地域によって変わるかもしれませんね。